2014年5月20日火曜日

ソニーの不動産業をどう考えるか


ソニー不動産株式会社設立のお知らせ


一般論として、リストラ過程にある企業は、本業を見極め、選択と集中を進めることが求められる。

そのような中では、ソニーが不動産に突き進んでいくのは理解しがたい。


ただ、ソニーもそんなことはわかっている。

ソニーが不動産を新規事業として取り上げるのは別の理由がある。


ソニーの直近の決算でも、アメリカの本社ビルの売却益655 億円、ソニーシティ大崎の売却益423 億円が営業利益に計上されている。

そう、営業利益にだ。

日本の会計を学んだ人にとっては違和感のある処置だ。


しかし、ソニーは米国会計基準である。

米国会計基準では資産の売却益も営業利益に計上してよいのである。


ただ、営業利益といえば、本業の利益といいたいところだ(これは日本の会計基準の発想だが)。

従って、「ソニーが利益をかさ上げしている」という批判が付いて回る。

アナリストはともかく、日本のファンド・マネージャーなどはこのような受け止めをしている人も多いだろう。

これはソニーの時価総額にとって極めてネガティブな誤解だ
(企業の実態としては誤解ではないが。。。)


このような誤解を解消するために、今回の不動産業の開始があるのではないか。

すなわち、不動産の売却益を堂々と営業利益に計上するためだ。

これは、ソニーのリストラに打ち止め感がないことを意味する。


ソニーの新CFOは「構造改革は今年度で終わり」と主張するが、
不動産売却益でダラダラとかさ上げしながら、リストラを継続していくことになるだろう。