5月29日、ジョイント・コーポレーションがデフォルトした。
http://sumai.nikkei.co.jp/news/latestnews/index.cfm?i=2009052909010p2
これをオリックスへの投資への視点から考えるとどうなるか?
オリックスはジョイントに対して、優先株と普通株で107億円のエクスポージャーがある。
また、不動産の仕入資金として200億円の融資の極度枠もある。
これはオリックスにとっても、かなり大きな金額だ。
ジョイントは保有している資産の大部分を銀行借入の担保に差し出しているので、
オリックスの普通株はもちろん、優先株もほとんど戻ってこないだろう。
しかし、不幸中の幸いで、不動産の仕入資金としての200億円の融資は、まだ実行されていないという。 つまり、オリックスはジョイントに対して、今回の6月-8月の銀行向けの支払いに対して、追加でジョイントを支援するという選択をするのではなく、優先株と普通株の107億円と引き換えに、ジョイントを損切りしたと解釈しうるのである。
こういう経営判断をできるオリックスはすごい。
実際、この2010年3月期のオリックスの経営計画をチェックしてみよう。
以下、2つの仮定をおいて考えてみる。
①オリックスにとって、ジョイントは投資銀行部門のビジネス
オリックスは大京やジョイントは「純投資」だと説明しており、実際、大京は投資銀行部門のビジネスだと明確に説明されているので、ジョイントもそうだと思っていいだろう。オリックスからのリリースでは、過去に、プリンシパルインベスツメンツだという書き方がなされているところまでは確認できた。また、東洋経済の特集では、はっきりとジョイントはオリックスの投資銀行部門だと断定されていた。
②オリックスは投資銀行ビジネスでかなりのデフォルトを織り込んでいる
投資銀行ビジネスの2009年3月期の貸倒引当金は79億円なのに対し、2010年3月期の見通しでは250億円の貸倒引当金を見込んでいる。ジョイントに対しては、エクイティ投資なので、貸倒という単語には違和感があるが、それはいわゆるクレジットコストのことだと解釈できるのではないか。
①②の仮定を是とすれば、ジョイントのデフォルトは、オリックスの2010年3月期の予算の範囲内と考えることができる。つまり、上述のように、オリックスは追加で融資をして、泥沼のリスクに陥っていくのではなく、あえて、107億円と引き換えに、ジョイントを損切りしたといえよう。
ジョイントのデフォルトを受け、オリックスの価格が下がるようなことがあれば、そこは買いのチャンスではないだろうか。
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