銀行に東電宛債権を放棄させて、何かいいことがあるのだろうか?
信用リスクの世界では、債権放棄は広義のデフォルト(債務不履行)だ。
格付会社のムーディーズは、今回の東電問題に関して、5月16日付けで
「デフォルトと見なし、全ての長期債務格付を複数ノッチ格下げする可能性がある」
との見解を提示している。
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いま大切なことは、
福島の安全を確保すること、
「適切な」損害賠償がなされること、
電力が安定的に供給されること、
必要な復興がきちんとなされることだろう。
そのためには、銀行が東電に対し、融資を継続するということがとても重要だ。
ただ、いろんな問題がある。
株主への説明責任?日本のため?不良債権リスク?バンカーの矜持?
いまのような状況で、東電宛の融資を継続するということだけでも、
非常に難しいはず。。。。
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そんななか、銀行にいまの債権を放棄しろ、とせまられている。
たしかに、みんな大変なんだから、銀行も損しろ、といえば、
同調する人もいるのかもしれない。
ただ、これでは、融資の継続は難しい。
債権放棄の圧力が明るみになったあと、銀行は追加で融資できるわけがない。
結局、今回の債権放棄圧力が、東電問題の解決をますます困難にする。。。
いま必要なことをもう一度考えよう。
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誰かを叩いて、世論に媚びていくような小技に走ってはいけない。
成すべき事を実現させる戦略を提示できるのが真のリーダーだ。
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