2012年12月26日水曜日
ナローパス
12月23日にNHKが「日本国債」という特番をやっていた。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2012/1223/index.html
番組全体では、ヘッジファンドのおじさんとか、ツッコミどころ満載だったが、日銀の白川総裁のコメントは看過できない。
「デフレ克服と通貨の信認確保の両方を達成するのはナローパス、狭い道ということなんですね」
かねてから当コラムでは主張しているように、昨今の政治主導によるインフレ目標、リフレ政策は、まさに円という通貨の信認を大きく毀損する恐れがあるので、要注意だ。
「悪い円安」が始まりつつあるかもしれない。
2012年12月25日火曜日
安倍総裁と円
週末に安倍総裁が、「日銀が1月の次回金融政策決定会合で2%の物価目標を導入しなかった場合の対応として、日銀法改正」と仰る。
これを受けて、円は売られ、CMEも高値を伺う動きに。
相場的にはこういうのも材料としていけばいいのだが、円はこれでいいのだろうか?
大勝利したとはいえ、政治家の言うことを聞かないいけない中央銀行。
なんか、発展途上国の様相だ。
こういう国の通貨は、そういう意味で下落してしまうのではないだろうか。
2012年12月20日木曜日
日銀金融政策決定会合
今回の日銀の対応は「適切」だったと評価。
・資産買入基金の2013年末残高の長期国債を5兆円(39兆円から44兆円へ)積み増し。
・短期国債を5兆円(19.5兆円から24.5兆円へ)積み増し。
・基金総額は91兆円程度から101兆円程度へ引き上げ。
このタイミングでのインフレ目標導入など、極端な選択肢はとられていない。
すなわち、円の信認への懸念も発生しないだろう。
日本株はこの発表前後で乱高下したが、昨晩のニューヨークの動きも考えると、ほどよい調整になったといえよう。
・資産買入基金の2013年末残高の長期国債を5兆円(39兆円から44兆円へ)積み増し。
・短期国債を5兆円(19.5兆円から24.5兆円へ)積み増し。
・基金総額は91兆円程度から101兆円程度へ引き上げ。
このタイミングでのインフレ目標導入など、極端な選択肢はとられていない。
すなわち、円の信認への懸念も発生しないだろう。
日本株はこの発表前後で乱高下したが、昨晩のニューヨークの動きも考えると、ほどよい調整になったといえよう。
2012年12月19日水曜日
悪い円安になるか否か
今回の日銀政策決定会合が試金石だ。
そもそも日銀は政府から独立しているべきだ。
それの踏まえたうえで、日銀独自に判断して、結果として金融緩和になるのであればよい。
政府からの圧力で緩和していくようでは円の信認にかかわる。
悪い円安を引き起こしかねない。
しかも、安倍政権の成立は26日。
まだ成立もしていない政権の意向の空気を読むような中央銀行ではないことを願う。
明日はせいぜい基金の小幅な増額くらいでお茶を濁すことを期待する。
2012年12月18日火曜日
日本株のアンダーウェート減少
メリルリンチのファンドマネージャー調査によると以下の結果が判明した。
今後1年間に日本株をオーバーウェートしたい投資家(11月の調査)
→ -17%
これはなんと前月比+22ポイントだ。
これは時期として、今回の自民党の圧勝を織り込んでいない。
いま調査したら、お祭り騒ぎだろうか??
次の発表が楽しみですな。
今後1年間に日本株をオーバーウェートしたい投資家(11月の調査)
→ -17%
これはなんと前月比+22ポイントだ。
これは時期として、今回の自民党の圧勝を織り込んでいない。
いま調査したら、お祭り騒ぎだろうか??
次の発表が楽しみですな。
2012年12月17日月曜日
選挙と相場
自民党の歴史的な勝利を受け、今日だけでも、複数のエコノミスト、ストラテジストが「財政と金融の一体緩和」への期待が高まっていると主張している。
朝一での為替の飛び方(円安方向への)なんかをみていると、そのような主張も理解できなくはない。
ただ、それでいいのだろうか?
あくまで、日銀は独立して金融政策を執行していくべきだ。
日銀のジャッジとしても金融緩和が必要とされ、結果として、財政政策と方向感がそろうのであればいいのだが、財政政策だけでは足りない、従って、もう一段の金融緩和を、という路線ではあればまずい。
この数週間、為替が円安になり、株式市場では好感されているが、油断してはいけない。
質の悪い金融政策を背景とした「悪い円安」にならないよう祈るばかりだ。
2012年12月11日火曜日
『どうする?日本企業』
三品和広氏は、『どうする?日本企業』でこのように主張している。
「成長ありきの経営はもう止めよう!」
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日本という国の現状を考えたとき、国としてはおそらく潜在成長率は低下しており、かつてのような成長は難しい。人口が減少していくなか、生産性の向上で賄う分には限りがあると認めざるを得ない。
しかし、企業単位では、やはり成長を追求していくべきではないのか?
企業の活動の範囲は、日本国内に限らない。
三品氏はこう言う。
イノベーション、品質重視、多角化、国際化は「一見『正解』と思われる」
一見ではなく、これらこそがまさに正解なのではないか?
成長を目指さない企業に投資する気はしない。
2012年12月4日火曜日
バーゼルⅢと国際競争
現在、日本の銀行はバーゼルⅢの準備に神経をすり減らしている。
バーゼルⅢとは、新たな銀行の資本規制だ。
リーマンショック時のような金融システムが麻痺するような事態を避けるために、
銀行が保守的な経営をしていくことを迫るもの。
営利企業として銀行はそれでいいのか、という議論もある非常に難しいテーマだ。
しかし、金融システムが麻痺するリスク・コストを鑑み、やむを得ないと導入の準備がされてきていた。
しかし、ここにきて、欧州連合(EU)が2013年1月の期限を守れない見通しを明らかにした。
米国もかなりバーゼルの準備は遅れている。
この状況下で日本の銀行はどうするか?
日本の規制当局はこのまま日本のみ規制を負う方向で進んでしまうのではないか?
バーゼルは世界の金融機関が秩序だって導入していく必要がある。
このままでは、日本の銀行だけが貧乏くじを押し付けられてしまうだろう。
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