2013年5月27日月曜日

国債の下落と銀行の健全性の議論。欠けているものは?


シティが興味深い分析を提示している。

5月23日と3月末を比較したときのメガバンクの収益のインパクトを試算したそうだ。

その分析によれば、某メガバンクの場合、債券で1,800億円のマイナス。

一方で、株式で5,770億円のプラス。


なるほど。

ここもとの金利上昇により、銀行が国債で巨額の評価損を抱えているとのニュースが多い。

ただ、金利上昇が株価の上昇を伴うものであるならば、国債の評価損を一定程度、相殺できるという視点か。


教科書では株式のことをインフレヘッジと表現することがあるが、まさにこのことだ。



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2013年5月24日金曜日

まず生き残れ!


23日、24日ととんでもない相場が続いている。


これは日本国債の10年金利のチャート。


日本国債10年のティック・チャート



22日の米国債がバーナンキをの発言を受け大きく金利上昇したこともあり、23日の日本の国債も一気に金利上昇してのスタートとなった。

このチャートではわかりづらいが、328回債は1.000%を記録している。

その後、大いにニュースになっているように、日本株の大幅下落をみながら、金利は低下。




このローソク足(日足)からもわかるように、値幅としては、非常に目立つ一日となった。


日本国債10年金利の日足チャート



ここで気になるのは、24日の解釈だ。


23日の海外では、欧州市場こそ、日本のショックを色濃く反映していたが(主要株式市場はだいたい2%程度のマイナス)、米国市場はなんとか値を保っていた。




それを受けた24日の日本市場は、こんな雰囲気だった。

23日の日本株の動きは「一時的な調整」だと割り切ったのだろう。

円安気味に推移していた為替も心理的サポートとし、株式マーケットは強くスタート。

例えば、日経平均の寄り付きは、前日比247円高(14731.75円)だ。

その後、高値では15000円も回復し、「一時的な調整」との見方は確信に変わったはずだ。

23日に大きく下落したのだから、買ってもいいのではないか、と考えた投資家も多かったのだろう。





そこに、またまた、ガツンと日経の先物に大きな売りが入った。

結局、安値では14000円を割れており、上下で約1000円。

再び、とんでもない値幅となっている。


日経平均の日足チャート




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アベノミクスで、初めて投資をするという人も多いのではないだろうか?

特に、自分がどの程度のリスク耐性(心理的、資産的に)なのかを、理解していない人が多いように見受けられる。

一本調子で上がってきた相場だけに、レバレッジのコントロールや銘柄選択など、十分なトレーニングをしていないのではないだろうか。


そのような人の人数と資金量を、正確に計測することは難しいが、膨大な量になっているだろう。

それが、恰好のエサになる。


ある程度の資金量のファンドが、売り崩しにきたのが23日、24日の相場だったのではないか。

初心者投資家がパンパンまでポジションをとってしまっているところで、ファンドは大口の売りをだし、初心者投資家が投げ売りさせられたところで、ファンドは買い戻す。

ファンドにとっては、実に美味しいトレード・チャンスだ。

23日に続き、24日も日経平均の値幅がこのように大きくなってしまった背景には、このような歪んだ構図が狙われたということだろう。





帝王ソロスが言っている。

「まず生き残れ!儲けるのはそれからだ」



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2013年5月19日日曜日

銀行は「特別」なのか?


古いふるいメモがでてきた。

1982年、ジェラルド・コリガンは「Are Banks special?」と世に問うた。

リーマン・ショックの約30年まえ。

彼はこのとき、銀行は「特別」な存在だと主張した。


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リーマン・ショックの経験を経て、ドット・フランクやらバーゼルⅢやら、銀行を「普通」の存在にするべく、おびただしい議論がなされてきた。

いよいよ欧州ではシニア債の毀損までもが、リアルな懸念にさえ、ありつつある。

これはコリガンの時代には想像もできなかったことだ。


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アベノミクスは、そのうち深刻な金利上昇を誘発するだろう。

そのとき、日本の金融機関の自己資本は簡単に吹っ飛ぶ。

日本の金融システムの危機は、リーマン・ショックどころではない大震災になるだろう。

そのとき、どうするのだろうか?

日本国債は時価会計の対象外にする?

なぜ?

銀行は「特別」だから??

もうじき、資本主義の信念が試されることになるだろう。




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2013年5月17日金曜日

日経平均の次の目途は?


16日、17日の日経平均の動きを見ていると、下押ししたところは買いたいと考える投資家が非常に多いようにみえる。

ただし、資金的には、かなり買いポジションを無理して構築している銘柄も多いようだ。

JASDACやマザーズでは信用買い残が気になる銘柄が多い。

その反動もあるのだろう、銘柄によっては、売り回転に入ると、売りが売りを呼ぶ局面も散見されている。

そういう意味では、しばらくのあいだ、中小型株はいったんお休みして、大型株中心に日経平均だとこの図の緑のラインを意識したあたりまでホールドするというのが、次の目途でいいのではないか?





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2013年5月14日火曜日

そういえば、欧州の銀行同盟はどうなっているのか?



ショイブレ独財務相が、英フィナンシャルタイムズ(FT)紙でこんな見解を提示している。



・ユーロ圏で単一の銀行破綻処理制度を発足させるためには欧州連合(EU)条約の改正が必要である

・ECB が14 年夏に監督機関としての新たな責務を引き継いだ段階で、「国家当局のネットワークを基にした清算機能」を先ず始動させるべき



これは、条約改正には数年単位での時間がかかってしまうことを意識したものと考えられる。

ただ、現在の欧州マーケットは景気が悪い中、「ドラギ・マジック」でなんとかバランスを保っているとの状況だ。

金融システムが壊れる恐れさえなければ、欧州債務危機もあそこまで大ごとにはならなかったはず。


もし、中国の景気悪化が加速した場合、ドイツへのダメージは非常に大きい。

中国のことを考えると、欧州の金融システムを守るためにも、銀行同盟はもっともっと急ぐべきではないだろうか。



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国債の金利は長期的な反転トレンドか?


下の図は日本の10年ものの国債の月次でのローソク足。








ながらく日本国債の金利は低下トレンドにあった。

しかし、黒田バズーカ砲の2013年4月には長い下ひげを記録し、この5月はいまのところの大きな陽線となっている。

つまり、債券相場としては、4月に記録的な高値をつけて、その後、暴落していることを意味する
(*国債の金利上昇は、債券相場の下落)。


黒田バズーカ砲はインフレ率で2%を目指している。

で、あるならば、長期金利がこんな0.7%台というのは居心地が悪い。


株や為替は黒田バズーカ砲に勢いよく反応した一方で、債券相場は、むしろ、2%のインフレ率なんて無理だといわんばかりの値付きだったが、いよいよ大きなトレンドを生むのかもしれない。



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2013年5月9日木曜日

噂のFitbitって何だ?


Fitbitが一気にブレイクしそうだ。

FitbitとはiPhoneと連携できるワイヤレスの活動量計だ。


歩数、距離、カロリー消費が記録でき、スマートフォンやウェブサイトで詳細データを管理できる。


見た目はこんな感じ。

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で、これのもっと洗練されたものが発売されることになった。

どうやら、ソフトバンクの新しいサービスらしい。

腕にリストバンドのように使えるので、もっと便利そうだ。

2013年夏以降に提供開始予定。


ソフトバンクだと月々490円のようだ。

amazonで今買うか、ソフトバンクのサービス提供を待つか。

ソフトバンクだとキャンペーンもありそうな予感。