2013年4月30日火曜日

国債の金利低下で、高配当株が割高に?


国債の利回りが低下する中、定期的なキャッシュフローを求めるニーズの資金が株式に流れているように見受けられる。

いわゆる高配当銘柄が人気化している、との仮説だ。

いまなら、米国債だと10年債で1.6%台。

2011年であれば、3.5%~2.5%といった運用もできた。

たしかに、現状の水準だと、運用を考え直したくなるのも理解できる。





それに対して、例えば、P&Gだと配当利回りで3.1%。

債券への投資では利回りが足りないと考える向きが、高配当株を購入しているのではないか。

P&Gはたしかに、ここもとレンジを切り上げたようなレベルになっている。





ただ、例えば、予想PERでみてみると、P&Gなんと19.22倍。

これは高すぎるのではないか。

予想PERは、アップルが10.74倍、グーグルが17.74倍。

ネット関連株よりもP&Gが予想PERで高くなっている状態はかなり居心地が悪い。



債券市場から染み出ている資金が高配当株に回っているとする仮説にのるならば、それはリスク耐久度の低い資金だと考えられる。


これら高配当銘柄が従前のレンジに戻っただけで、債券市場から染み出た分の資金へのインパクトは大きい。場合によっては、かなりきつい損切りのフローもあるかもしれない。


日本でも、米国の高配当銘柄に投資する投資信託は人気だが、思わぬボラティリティを被る素地ができているので注視したほうがいいだろう。


2013年4月24日水曜日

iPhoneの大画面化??


サムスンはGalaxy シリーズの新製品としてGalaxy Mega 6.3を発表している。

6.3インチって、、、、1インチ=2.54センチメートルなので、なんと約16センチメートル!

このサイズで電話すると、、、



まあ、好みが分かれるところだが、アップルのクックCEOが、23日、決算発表のカンファレンスコールで投資家に対して、このような見解を提示している。




・大画面を好むユーザーはいる。しかし、解像度や色の再現性、バッテリー駆動時間などを重視するユーザーもいる。

・画面のサイズとバッテリー駆動時間やアプリ互換性は二律背反の関係にある。

・競合メーカーは、大画面にする代わりに、ほかの面で妥協している。

・これらの問題が解決しないままで、アップルが大画面の携帯電話をリリースすることはない。




なるほど。ユーザー・エクスペリエンスを重視するアップルらしい考え方だ。

ところで、投資家の目線から考えると違う見方もある。

スマートフォンやスマートタブレットは、かなり普及が進んできている。特に、アップルがターゲットとしているような高級路線では。

そのような中で、アップルの場合、iPhoneとiPadを両方買ってくれるというユーザーが少なくない。

これはアップルの投資家から考えると、非常に優良な顧客層を持っていることを意味する。

決して安くないアップルの製品を複数購入したがるわけだ。




そんな中、冒頭のような電話もできるタブレットを発表したら、どうなるか?

iPhoneとiPadの2台持ちしている人たちの幾分かは、その新商品に乗り換えることだろう。

これは、アップルの利益が減少することにつながる。



従って、クックCEOの方針はアップルの投資家としては前向きに評価してよいだろう。




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2013年4月23日火曜日

Gmailのバックアップはどうするのが便利か(1)


iPhoneユーザーでも、AndroidユーザーでもGmailを使用している人が多いように思われる。

ただ、Gmailに依存すればするほど、このバックアップが重要になる。

ハードに使うためには、そのための備えが必要だ。


Gmailのバックアップで有力な手段は、このような感じだろうか?


1.Gmail BackupやGmvaultのツールを利用

2.hotmailなどの他のウェブメールを利用

3.Thunderbirdを利用


どれも一長一短なので、組み合わせながらバックアップしていくのが現実的だろう。


・・・つづく・・・



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早くもインフレとの戦い


アベノミクスに突っ走る日本はインフレになれるかどうかで、ドキドキしているわけだが、早くもインフレと戦わなくてはいけない国がある。

それはブラジルだ。

ブラジルの中央銀行BCBは、17日に25bpの利上げに踏み切っっている。


日本は異次元の緩和をしているのに、ブラジルはもう引き締めだ。


資産運用の観点からいくと、数年前のブラジル・ブームで投資信託を購入している向きが多い。

購入時期にもよるだろうが、いまいちな運用成果になっているのではないか。

ここからブラジルはインフレ退治のために、数回の利上げをしていくことだろう。

すなわち、ブラジル経済に意図的にブレーキをかけていくことになる。

ブラジルの株式に投資している投信のパフォーマンスには注意になる。

8473 SBIホールディングスの値動きが、、、


SBIホールディングスの値動きがすごい。

上げ方も出来高もちょっと普通じゃない。






13/3の予想PERでなんと56倍と、とんでもない水準。

なんか大きな発表がありそうですな、、、

例えば、、、

ヤフーによる買収とか??




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2013年4月19日金曜日

金。買いで試すか?


金の値動きが激しい中、こんな記事が。

日本株ファンドへの資金流入と米商品ファンドからの流出が過去最高

「米商品(コモディティ)・貴金属ファンドからの資金流出が過去最高の27億ドル」!





金に対しては、どのようなスタンスでいくべきか。







チェック・ポイントはこのようなイメージ。


・某中銀やポールソンのファンドなどの大きなフローはどの程度進捗
したのか?

・今週のG20で日本の政策が非難されることなく通過できるか



日本人のマネーは、値ごろ感から、そろそろ金を買いに向かうかもしれない。

しかし、リーマン・ショックや欧州債務危機を背景とした「価値の貯蔵」目的の金ロングはまだまだある。(金の相場の下げが意味するもの



中途半端に金の買いで入る必要はない。

日本人の資産運用の観点からは、金よりも急ぐべき投資対象がある。

それは、ドルだ。


金融抑圧政策とは何か?


金融抑圧とは何か?

以下のような特徴があると考えられる。



・ファンダメンタルズに比べて、低い水準に金利を規制する政策


・金融抑圧政策のもとでは、本来、資本の持ち主(投資家)が得るはずのリターンが、債務者(政府)に移転する


・公的債務を維持する方法のひとつ


・「金融抑圧は実質金利を大きくマイナスにし、経済成長にマイナスの影響を与える。」
  出所:『新しい金融論-信用と情報の経済学』
     
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・金利が低くおさえられるため、政府は財政再建への意欲が減退しがち。とりあえず、先送りにできる



え?

どこの国のハナシか???

それは、もちろん!!




G20 の第一関門突破。アベノミクス成功のカギはアメリカだ



ワシントンでの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が始まった。


麻生太郎財務相は18日夜(日本時間19日午前)、安倍政権が進める金融・経済政策についてデ
フレ脱却が目的と説明。

各国から特に異論は出なかったという。




また、麻生氏は、ルー米財務長官や国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事とも念入りなミーティングをしたらしい。



ドル円に関してのアメリカの意図は?で検討したように、アメリカとはしっかりと「握れている」と考えていいのではないか。


危うさもあるアベノミクスが成功するための重要なカギは、アメリカだ。



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2013年4月18日木曜日

ドル円に関してのアメリカの意図は?

 
G20の会議もあり、為替市場では緊張感が高まっているが、今朝のルー米財務長官の発言にヒントがありそうだ。


「G20は競争目的で為替を目標にしてはならない」

「米国はG20が近隣窮乏化政策を回避するように望む」

「中国人民元の一段の上昇が必要」

「中国は国内消費促進のためにさらなる改革が必要」

「われわれは日本の政策の効果を注視している」

「中国の改革ペースは米国の期待に合致しない可能性がある」

「日銀の対応は国内経済の促進を目指したもの」



これらから推察すると、日本が為替操作をしているという指摘は、少なくともアメリカからはないのではないか。

日銀の政策を否定すると、どうにもFRBとのバランスが悪くなる。

為替に関して、アメリカの本命は中国という理解が美しそうだ。


G20を無事に過ごせたら、我々は黒田総裁の国際マーケットでのグリップの強さをもう一段高く織り込んでいくことができるだろう。



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2013年4月17日水曜日

日銀は「実験」をしていいのか?


ロイターが刺激的な記事をアップしている。

焦点:日銀の「壮大な社会実験」、宴の陰で進行する財政不安定化



ここで気になるのは「実験」という考え方だ。

今回の金融政策はたしかに「異次元」であり、まさに「実験」の様相だ。

しかし、「実験」とは「自然科学」においてこそ、ふさわしい概念ではなかろうか。

リアルな経済は「自然科学」とは違う。

経済学は、そこで「社会科学」という世界の中で発展したきた。

「自然科学」においては、何度も「実験」を繰り返し、真理を探究していく。

リアルな経済から特定の要素を抽出し、ある意味、「モデル」を構築していきながら、「社会科学」としての法則を固めていく性質だ。



「自然科学」の発想からいけば、なんともモドカシイだろう。

しかし、「実験」の条件は、繰り返すことができることだ。



どうだろう。

リアルな経済は、何度も「実験」を繰り返すことができる舞台だろうか。

リアルな日本経済は、財政という爆弾を抱えている。


黒田バズーカ砲の取り扱いに失敗してしまったら、もう一度「実験」してみようとは言う余地はない。



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2013年4月16日火曜日

ソフトバンクの対抗馬ディッシュって何者?



ソフトバンクに対抗しようというディッシュって何者なのか?


真正面からみると、DISHネットワーク(DISH Network Corp.) は、米国の加入者向け直接衛星放送サービ ス提供会社。


というか、注目すべきなのは、アメリカでいちばん意地悪な会社という噂だ。


そして、バランスシートはかなり弱い。




信用格付けでいくと、いわゆる投機的等級と評されるレベル。

本気でビッド競争になると勝ち目がないような気が、、、、


そもそも、もしかしたら、ただ意地悪をしてきただけかも、、、



ちなみに、株式は大商いのなかで、売り込まれている。








日本の報道では明言されていないが、ディッシュの提案では、そのディッシュの株式も交換に含む。

ここが、スプリントにとってはデメリットになりうる。

従って、スプリントはソフトバンクを選ぶというのがメイン・ストーリーだろう。

つまり、本日、売り込まれているソフトバンク株は魅力的だといえよう。


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東京の金(ゴールド)の価格が壊れた??


ここもと注目しているように、ニューヨークの金の価格がすごい。

やはり、金が下落。フローが加速?


特に、日本人投資家にしてみれば、ニューヨークの金の価格の下落に加えて、ドル安円高が拍車をかけている。

東京商品取引所の金の先物は10%安(この2日間で17%)。







既述のように、ファンダメンタルズとフローの双方から、金には警戒だ。

金の相場の下げが意味するもの




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アベノミクスに浮かれた投資をしていると、こういうときに退場させられてしまう。

腰の入った資産運用を習得しなくてはいけない。



2013年4月15日月曜日

やはり、金が下落。フローが加速?


先週、「金への投資は警戒したほうがいい」と指摘したところだ。

金の相場の下げが意味するもの


チャート的には、この赤い線を見事にブレイク。









ところで、日経に気になる記事がでていた。


金急落は黒田日銀に対する信認か


当方の見立てとは似ているようで、違う。


日経では、日銀の高官の発言の趣旨として、「金融政策の節度が守られ信認されれば、代替通貨としての金は買われず、金価格は下がるはず」との考え方が紹介されている。


世界に通貨が円しかなければ、このような解釈も成り立つかもしれない。


しかし、いまはむしろ逆だ。


日銀は「異次元」の金融緩和を目指し、そしてその結果として自国通貨とのしての円が下落している。


いまは、ドルやユーロに対する極端な見方を背景とした金のロング・ポジションの解消の局面と解釈すべきだろう。



ちなみに、マーケットでは、ポールソンのヘッジファンドが注目を集めている。

報酬を確保するために、このファンドから新しいファンドへ資金を移そうとしているらしい。

問題はそのコストだ。

2009年4月1オンス=900ドルで金への投資を開始したという。




新しいファンドに資金を移すためにも、これから金ポジションの売りフローはまだでてくるだろう。

前回論じたような貨幣の「価値の貯蔵」に加えて、大人の事情のフローが絡んでいる。

こういうときには、極端な値動きになりやすいので、注意が必要だ。







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インフレ2%なら、国債の金利も上昇する。。。そうしたら。。。


ウォール・ストリート・ジャーナルに興味深い記事がでている。

ウォール・ストリート・ジャーナル:国債利回りの急上昇、日銀緩和策の難しさ示す


そう、日銀が望むように2%のインフレを達成したら、既存の債券ポートフォリオは大損失を被る可能性が高いのだ。


そして、日本国債の金利は黒田バズーカ砲のあと、不気味に上昇(=債券価格は下落)している。





金利が上昇すると、民間の銀行や生保のバランスシートはひどく毀損する。

そして、忘れがちだが、そのときには日銀のバランスシートも毀損する。

円という通貨は日銀の負債である。


つまり、円を支える資産(=国債)がボロボロになるということだ。




これを踏まえると、運用の観点では、やはり、外貨建ての資産を増やして、資産を防衛しておいたほうがいい。

過剰流動性相場との付き合い方

2013年4月11日木曜日

東証1部の売買高がエライことに、、、








東証1部の売買高、本日分の概算が51億4844万株。

昨日分は52億7749万株。

2日続けて50億株を超えるのは史上初らしい。



ちなみに、グラフの2011年のところで大きな売買量があって目立っているところがある。

これは、2011年3月15日(月)。

つまり、11日(金)に東日本大震災があって、その投げ売りが集中した日だ。

このグラフでみる限り、足元では、そのときのエネルギー並みの売買が続いているようにみえる。



ちなみに、本日は、TOPIXで7連騰。かつ、年初来高値更新。



資産運用の観点からは、日本株とうまく付き合う必要がある。

特に、日本株を持たざるリスクと、高値追いしない投資行動が重要だ。




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金の相場の下げが意味するもの


これは日経新聞の記事。

NY金、大幅反落 6月物は1558.8ドルで終了 5カ月ぶり下げ幅




金のチャートをチェックしてみよう。

非常に不気味な位置だ。





金とは貨幣と非常に密接な関係にあると考えている。


よく経済学の教科書で解説される貨幣の役割とは以下だ。

1.価値の尺度
2.決済手段
3.価値の貯蔵



一般的に、コモディティを資産運用の対象とするときのわかりやすい動機は、インフレへの対応だ。

その中でも、銅やコーヒーではなく、金にこそ期待する役割は、この貨幣でいうところの「価値の貯蔵」。


いわゆる信用不安が高まると、一国の通貨さえもその存続性が疑われる。

リーマンショックや欧州債務危機のなかで、資産の一部を金に振り向けるのは、この動機が強かったと考えられる。

例えば、ユーロが崩壊するから、資産を金で貯蔵する、という発想だ。

なので、リーマンショック以降、金は力強く買われてきたと解釈できる。

ただ、2012年の「ドラギ・マジック」以降、どうやら金融のシステミック・リスクを誘発するほどの緊張感はなくなってきた。

その結果、この価値の貯蔵という目的での金への投資は徐々にニーズが落ちてきているのだろう。

むしろ、経済が正常化するのであれば、株式に資産を振り向けたいところだ。


上のグラフでいけば、2011年からのレンジの下限を赤い線だとすると、かなり危ない領域まで値を下げている。


金への期待が変わりつつある。

金への投資は警戒したほうがいい。




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2013年4月10日水曜日

市場が壊れて、どうなるのか?


日経のこんな記事が注目を集めている。

「市場が壊れた」4・4大規模金融緩和の光と影 国債波乱の真相



一般に、期待インフレ率を市場の値としてはどのように観察するか?

期待インフレ率はこのように表現することが多い。

期待インフレ率=(R-r)/(1+r)≒ R - r

R:名目イールド(複利) 
r:実質イールド(複利)

市場の観測値としては、それぞれ、

名目イールド(nominal yield) = 10年利付国債の複利利回り

実質イールド(real yield) = 10年物価連動国債の複利利回り


とみなすケースがほとんどだ。


しかしながら、日本の場合、後者の「物価連動国債」は市場の流動性が低いのが大問題だった。

つまり、「物価連動国債」の複利利回りがどの程度なのかは、市場に聞いても、わかりづらい状態となっている。

このような中、今回の黒田日銀のバズーカ砲の結果、上記の記事「市場が壊れた」4・4大規模金融緩和の光と影 国債波乱の真相 のように、通常の「利付国債」まで「壊れた」のである。



どうなるか?

つまり、期待インフレ率がまったく検討つかなくなってしまったのだ。

期待インフレ率がわからないまま、「異次元」の金融緩和を続けていく!

日本の金融政策は、スピードメーターのない暴走トラックになったかもしれない。




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2013年4月8日月曜日

過剰流動性相場との付き合い方


日本銀行の異次元の金融緩和は、日本のみならず、世界の相場に影響を与え始めている。


例えば、先週末の米雇用統計前後の動きだ。

あの雇用統計の数字を見れば、これまでであれば、頼みの綱の米国経済の減速を意識し、いったんはリスク・オフの相場になったはず。

しかし、米国の株式はそこを押し目とみるかように反応。

また、為替でもさらなる円売りが加速した。

米国の経済指標が悪化するときには、円が買われるのがこれまでのパターンたっだのに。

ウォール・ストリートジャーナルでも、このような興味深い記事を掲載している。
日本の資金が外債に流入―欧米国債利回り低下




どうやら、日本銀行の異次元の金融緩和は、これまでの常識を変えるようだ。

資産運用の観点からも戦略的な運営が必要と言わざるをえない。

今後、例えば、欧州発でネガティブな材料があったときなどが大きなポイントになるだろう。

日本株はまだ上がるのだろうが、割高感も著しい。

海外株式が売られたところで拾うこと、つまり、日本株から海外株へのリバランスが今後の需要な狙い目と言えよう。

日本銀行の異次元の金融緩和による、過剰流動性相場のもとでは、外貨建て資産をいかに構築するかが重要だ。




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2013年4月5日金曜日

日本国債が暴れだしている。。。


黒田日銀バズーカ砲を受けて、日本国債には昨日(4日)、買いが殺到した。

ところが、本日(5日)は売りと買いが交錯し、乱高下する展開。


値幅が大きすぎるときに発動されるサーキットブレーカーが本日は2度も!


前日比34銭高の146円38銭でスタートしたが、本日の安値では2円94銭安まで売り込まれ、結局、144円02銭でクローズ。





このグラフからもわかるように、債券としてはとんでもない値幅で売り込まれている。

日銀が大量に買うと宣言したのに、ここまで売られるというのはどうことだろうか?

やはり、日本国債のへの信認が揺らいでいると言えよう。

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2013年4月4日木曜日

黒田日銀のバズーカ砲が炸裂!日本国債の金利は過去最低水準を更新



今日の日本国債は10年カレントもの(現在は328回債)は、0.555%で取引スタート。

今回の日銀の金融政策決定会合も、本命は次の26日だとみなすむきも多く、難しい水準での取引が続いた。

午前中は先物に思わせぶりな買い注文が入ったりしたが、勢いは不足していた。



そんな中での、黒田日銀のバズーカ砲!

あれよあれよと買いが買いを呼ぶ展開。

一時、0.425%まで10年ものの金利は低下。

2003年6月11日につけた0.430%の過去最低水準を更新した。





今回、基金と輪番オペを統合し、毎月の購入額を3.8兆円から7兆円まで増額することとした。

こうなると、日本の金融機関は、こんな金利水準になっても、国債を買うしかない。

中央銀行に逆らうわけにはいかないのだ。




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ただ、これって、果たして、「円」にとっていいことなのだろうか?

日本銀行のバランスシートにおいて、「円」はその資産サイドの大きい部分が国債となる。

その国債がこんなにも投資対象としての魅力を低下させている。

すなわち、「円の信認」がひどく傷つきはじめている。

ほどよい円安は株高を誘発するだろうが、ほどよい円安で止まるとは限らない。



資産運用の観点からは、「円の信認」が崩壊するリスクの準備をしておくべきだ。

やはり、アベノミクスの時代、いかに上手に外貨建て資産を積み上げるかがポイントになろう。

2013年4月2日火曜日

シャープ、とうとう公募増資か?


朝日新聞がこう報じている。

シャープ、1千億円規模の公募増資へ 銀行も容認の方向



公募か、、、

公募でやるなら、サムスンとかに買い占められ、その後、重要な技術だけ分社化されてしまったりして、、、

そもそもこのような手段に頼るなら、ホンハイとの交渉で早い段階で折り合っておけばよかっただろうに。

融資している銀行の債権は保全されるだろうが、雇用と下請けのビジネスの将来は危ういことになるだろう、、、







JPモルガンのザ・ジャパンの投げ売りが原因か?


JPモルガン・アセット・マネジメントに、「ザ・ジャパン」という有名なファンドがある。

この「ザ・ジャパン」、どうやら昨日、マイナス7.551%という成績だったらしい。

ここもと順調なパフォーマンスだっただけに、一過性とみるか、どうか。

不動産銘柄などに積極的に投資していたと言われてるが、、、




一般論として、大きなファンドで、偏ったポジションの場合、その投げ売りが相場全体をも崩す場合がある。

「ザ・ジャパン」のパフォーマンスからすると、何かが起こっている。

注意深く観測していくべきだろう。




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