年末年始ともなると、相場予想が活発になる。
「もう株は上がりすぎだ」、「いや、今度は違う」。
「アベノミクスはまだ始まったばかりだ」、「もう一段の金融緩和があるはずだ」
「シェール革命だ!」
資産運用において重要なのは、他人の予想を鵜呑みにすることなく、自分で判断し、意思決定していくことだ。
そのうえで、当方が長年、重要視しているものを共有しよう。
相場の大局観においては、米国債が道標となる。
これはこの半年の米国債の利回りの推移だ。
こうみると、米国債の利回りが激しく上昇していることがわかる。
これは米国経済の力強い復活の兆しかもしれない。
おそらく、これは現在の市場のコンセンサスだろう。
ただし、重要なのはあくまで中長期的な資産運用だ。
大局観を養うためには、より長い期間で米国債の位置づけを考えるとよい。
このように、長期でみると、米国債は利回り低下の歴史である。
この紫のラインに何度も挑戦して、跳ね返された歴史である。
チャート分析を盲信してはいけないが、これは非常に強力な抵抗線といえよう。
見方を変えれば、米国債は世界の相場のエネルギーを反映する。
すなわち、80年代以降、世界の相場のエネルギーは低下していったのである。
今後、世界の相場のエネルギーが、本格的に高まるのか、または、再び、低下していくのか。
他人の無責任な予想に踊らされることなく、冷静に米国債を見つめることが大切だ。
米国債が道標となる。
80年代以降続いている延長戦の中なのか、真に歴史的な転換が迫っているのか。
米国債を見つめていれば、あと少しで、相場のエネルギーの行方がわかることだろう。
上野 泰也
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