*以下、読売オンラインより**************************
伊藤忠系とパシフィック系Jリート合併協議
(読売新聞 - 07月25日 20:41)
伊藤忠商事系列のJリート(上場不動産投資信託)と、経営破綻(はたん)した不動産ファンド運営、パシフィックホールディングス(HD)傘下のJリートが合併する方向で協議に入ったことが25日、わかった。
実現すれば、初のJリート同士の合併となる見通しだ。
協議を始めたのは伊藤忠傘下の「アドバンス・レジデンス投資法人」とパシフィックHD傘下の「日本レジデンシャル投資法人」。日本レジデンシャルが行う第三者割当増資を伊藤忠側が引き受け、秋にもアドバンスと合併させる方向だ。
両投資法人は賃貸マンションを保有し、家賃収入による利益を投資家に配当している。不動産市況の悪化で資金が調達しにくくなっており、規模拡大で資金調達力の強化を目指す。
今月15日には、大和ハウス工業が自社系列のJリートと、民事再生手続き中のJリート、ニューシティ・レジデンス投資法人の合併に向けた交渉を進める意向を表明している。
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税制の改正など『リートの合併』を後押しする環境は整いつつある。
しかし、リートの合併は投資主のメリットになるのだろうか?
(これ読んでいる人はご存知でしょうけど、
投資主とは不動産投資信託への投資家のことで、
株式会社に対する株主みたいなものですな)。
リートがガンガン設立され、生き残るために、
差別化がキーワードとなり運営されていたはず。
たとえば、今回のような住宅系でも、
物件の性質や地域など、事細かに情報が公開されながら
運用されていたものだ。
運用会社は当然、ほかのリートよりも
自分たちの投資対象のほうが優れていると思っていたであろう。
そんななか、ほかのリートと合併していいのだろうか?
その相方のなるリートが魅力的だと考えるなら、
そのような投資対象の不動産に自分たちもすでに投資していたはずであり、
そうすると、似たような運用構成になってしまうので、
もう合併する必要がないという奇妙な構図になってしまう。
個人的に、リートに関しては、リート同士の合併よりも、
『スポンサーの再編』のほうが合理的なのだと思う。
つまり、今回のケースでは、パシフィックHDが残念な結果になったことを踏まえ、
もし伊藤忠が日本レジデンシャル(パシフィックがスポンサーだった)に関心があるのなら、
日レジはそのまま残し、伊藤忠が日レジのスポンサーになるほうがいいのではないか?
そうすれば、日レジやアドバンス・レジデンス(伊藤忠がスポンサー)への投資主は、
それぞれが信じた運用対象のまま、投資主でいることができる。
一方で、そのような経済合理性を軸としたスポンサーの再編が主導にならないのは、
おそらく、しかるべき筋の思惑が働いているのだと思われる。
上記のような『スポンサーの再編』という、はっきりとした路線にせずに、
なんとなくでいいから、Jリートへの安心感を醸成させたい筋だ。
Jリートがもう一段階上の洗練された投資商品になるチャンスだったのに・・・
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