2009年8月20日木曜日

投資の行動心理学





金融機関でマーケットの仕事をしている立場からこの本を評価すると、
「マーケットでの成功を勝ち取るには心理的要因が最も重要である」、
「投資家はトレーディングシステムより重要であり、自己鍛練と自己制御は成功の鍵である」などいう指摘は、真実であるといえる。

一方で、この本の多くの部分が割かれている、まさに「心理学」の部分は読み物としては興味深い面もあるが、これを知ったところで、上手く売買できるようになるわけではないと言わざるをえない。また、投資家としての具体的なチェック項目も豊富だが、あたりまえのことしか書いていない。

ただ、この本の一貫したテーマである「重要なのはテクニックではなく、己を知ることである」という考え方は、マーケットで戦っていくためには忘れてはいけない。このことについて考えるためであるならば、一読の価値があるだろう。

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