2012年11月2日金曜日

パナソニックは『道をひらく』



『津賀神話』が始まるかもしれない。


パナソニックの新たな業績の計画が注目されている。今年度の当期損益は7650億円の赤字になるという。昨年度が7722億円の赤字なので、2年間で1兆5000億円も吹っ飛ばすことになる。


パナソニックは大丈夫なのだろうか?

今回の津賀社長の決断は正しいと評価する。

実は今年度の計画では本業の実力を示す営業損益で1400億円の黒字。昨年度は437億円だったので、着実に前に進んでいる。




1.最終の当期損益が大幅な赤字になるのは、大きく以下の2点を「選択」したことが要因。


(1)将来のリスクの「損切り」を選択

 過去の投資の失敗を、「のれん・無形資産の減損」として確定させた。これは英断だ。三洋電機等、過去の大型投資が現在ではうまくいっていないので、将来的なバランスシートのリスクが高い状態が続いていた。これが疑心暗鬼になっていたのだが、これを確定したことになる。

 今後は、この損切りで十分だったのかどうかをウォッチしていけばいい。なお、2012年度第2四半期末時点で、のれんは5177億円、無形資産は2377億円。パナソニックの経営陣は「過剰感が解消」と自己評価している。


(2)経営環境の悪化を「直視」した結果、繰延税金資産を取り崩した

 2Q累計の法人税等は4114億円で、前年と比べると4128億円の増加。法人税等に含まれる繰延税金資産の取崩し額は4125億円だ。

 これを主要因として、税引き前の損益▲2787億円から当社株主に帰属する当期損益は▲6852億円まで悪化している。



2.キャッシュフローを力強くコントロール

 
 津賀社長は「普通でない会社」だとの自己評価を披露した。これはすごいことだ。「天下の松下」がこんなことを言えるものなのだろうか。

 「あらゆる手を尽くしキャッシュフロー創出」し、「普通の会社」になるという。

 この現実を適格に認識し、まっとうな解決を模索する姿勢は評価したい。

 ちなみに、普通の会社に向けて、毎年度フリーキャッシュフローで2000億円以上を目指すとの経営数値目標を掲げた。これが実現できるなら、たしかに危機は脱出できるだろう。




3.結論

松下幸之助は偉大だった。

『津賀神話』はどうなるのだろうか?

パナソニックは『道をひらく』ことができるだろう。








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