昨晩の米国株は強かった。
ダウとS&Pは史上最高値更新、ナスダックは年初来高値を更新だ。
その背景にはバーナンキFRB議長の「自動的に利上げするわけではない」との発言がある。
5月にバーナンキ議長が金融緩和の縮小を示唆して以降、マネーフローが変わり、新興国からの資金の巻き戻し、米国債の下落などが起こっていた。
それらに対して、配慮したのが上記のバーナンキ議長の意図だと解釈できよう。
5月以降の動きからわかるように、米国の金融緩和の縮小は、本質的には米国経済の復活ながらも、局所的には大きな痛みが発生する。
その痛みは、緩和を縮小すべきタイミングを後ずれさせる誘惑となる。
米国は果たして、適切なタイミングで緩和を縮小させることができるのだろうか。
緩和を縮小できなければ、その時点では株式は上昇するだろう。
多くの人が喜ぶことになる。
しかし、その副作用は大きい。
金融緩和は緩和を拡大することよりも、緩和の縮小、つまり、その出口が難しい。
みな、足元の甘い誘惑に負けてしまうからだ。
さらには、いつかくるその先の痛みはみたくない。
いつまでも緩和してほしいとの声が強まるからだ。
ところで、異次元の金融緩和をしている国がある。
異次元にモルヒネを注入してしまったら、普通の精神力ではその誘惑に勝てないだろう。
異次元の金融緩和の誘惑がどのような結末を迎えるのか?
やはり、一定程度の円売り/ドル買いのポジションを持っていたいものだ。
これは目先の相場で儲けるためというよりも、将来のリスクに備えるためだ。
翁邦雄
日本評論社
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