「日銀の場合は、通貨を発行(供給)した「資金」で株式を買い入れる。そういう意味では、「異なる次元」の量的緩和が続く限り財源は無限だ。「2%インフレ率を2年間」で達成する本来の目標設定において、2年間という期限内でターゲットが達成しなかった場合の議論が政治的にも、国民的にも手薄だったと言わざるを得ない。「異次元」の世界に入るのであれば、いつまで「普通」の世界に戻れることがわからないことは無謀な冒険のはずだ。」
「もちろん日銀の会計ルールは民間銀行と異なる。しかし、株価が世界的に激しく下落した場合、通貨信認の番人である中央銀行の財務基盤が健全でないと見なされれば、その影響は計り知れない。これは日銀自身が最も心配しているシナリオではなかろうか。その場合、間違いなく政府が日銀へ資本注入するであろう。が、その財源は国債。そして、その国債を買うのが日銀…… まさに、「異次元」なトランプの城のようだ。金融システムの安定化の番人が、金融システムの最大な不安定要素になるシナリオは断じて避けなければならない。「ありえない」という国民的な思考停止は、リスクを高める心の怠慢だ。」
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異次元緩和がもたらす弊害 (渋沢健 コモンズ投信会長)
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