2013年4月11日木曜日

金の相場の下げが意味するもの


これは日経新聞の記事。

NY金、大幅反落 6月物は1558.8ドルで終了 5カ月ぶり下げ幅




金のチャートをチェックしてみよう。

非常に不気味な位置だ。





金とは貨幣と非常に密接な関係にあると考えている。


よく経済学の教科書で解説される貨幣の役割とは以下だ。

1.価値の尺度
2.決済手段
3.価値の貯蔵



一般的に、コモディティを資産運用の対象とするときのわかりやすい動機は、インフレへの対応だ。

その中でも、銅やコーヒーではなく、金にこそ期待する役割は、この貨幣でいうところの「価値の貯蔵」。


いわゆる信用不安が高まると、一国の通貨さえもその存続性が疑われる。

リーマンショックや欧州債務危機のなかで、資産の一部を金に振り向けるのは、この動機が強かったと考えられる。

例えば、ユーロが崩壊するから、資産を金で貯蔵する、という発想だ。

なので、リーマンショック以降、金は力強く買われてきたと解釈できる。

ただ、2012年の「ドラギ・マジック」以降、どうやら金融のシステミック・リスクを誘発するほどの緊張感はなくなってきた。

その結果、この価値の貯蔵という目的での金への投資は徐々にニーズが落ちてきているのだろう。

むしろ、経済が正常化するのであれば、株式に資産を振り向けたいところだ。


上のグラフでいけば、2011年からのレンジの下限を赤い線だとすると、かなり危ない領域まで値を下げている。


金への期待が変わりつつある。

金への投資は警戒したほうがいい。




THE GOLD ゴールドのすべて
THE GOLD ゴールドのすべて
posted with amazlet at 13.04.11
池水雄一
エイチスクエア株式会社
売り上げランキング: 269,481






0 件のコメント: