ロイターが刺激的な記事をアップしている。
焦点:日銀の「壮大な社会実験」、宴の陰で進行する財政不安定化
ここで気になるのは「実験」という考え方だ。
今回の金融政策はたしかに「異次元」であり、まさに「実験」の様相だ。
しかし、「実験」とは「自然科学」においてこそ、ふさわしい概念ではなかろうか。
リアルな経済は「自然科学」とは違う。
経済学は、そこで「社会科学」という世界の中で発展したきた。
「自然科学」においては、何度も「実験」を繰り返し、真理を探究していく。
リアルな経済から特定の要素を抽出し、ある意味、「モデル」を構築していきながら、「社会科学」としての法則を固めていく性質だ。
「自然科学」の発想からいけば、なんともモドカシイだろう。
しかし、「実験」の条件は、繰り返すことができることだ。
どうだろう。
リアルな経済は、何度も「実験」を繰り返すことができる舞台だろうか。
リアルな日本経済は、財政という爆弾を抱えている。
黒田バズーカ砲の取り扱いに失敗してしまったら、もう一度「実験」してみようとは言う余地はない。
財政金融政策の成功と失敗―激動する日本経済
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黒田 東彦
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