2013年4月17日水曜日

日銀は「実験」をしていいのか?


ロイターが刺激的な記事をアップしている。

焦点:日銀の「壮大な社会実験」、宴の陰で進行する財政不安定化



ここで気になるのは「実験」という考え方だ。

今回の金融政策はたしかに「異次元」であり、まさに「実験」の様相だ。

しかし、「実験」とは「自然科学」においてこそ、ふさわしい概念ではなかろうか。

リアルな経済は「自然科学」とは違う。

経済学は、そこで「社会科学」という世界の中で発展したきた。

「自然科学」においては、何度も「実験」を繰り返し、真理を探究していく。

リアルな経済から特定の要素を抽出し、ある意味、「モデル」を構築していきながら、「社会科学」としての法則を固めていく性質だ。



「自然科学」の発想からいけば、なんともモドカシイだろう。

しかし、「実験」の条件は、繰り返すことができることだ。



どうだろう。

リアルな経済は、何度も「実験」を繰り返すことができる舞台だろうか。

リアルな日本経済は、財政という爆弾を抱えている。


黒田バズーカ砲の取り扱いに失敗してしまったら、もう一度「実験」してみようとは言う余地はない。



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黒田 東彦
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