2013年12月30日月曜日

金相場の本質を考える―2014年、値ごろ感でゴールドを買うのはやめておいたほうがいい


12月30日、東京時間の夕方だが、ここでゴールドも振り返っておこう。





2013年、ゴールドは大きな下落を見せたが、これは必然でもあった。

当方としては、このブログで何度もゴールドに対して警鐘を鳴らしてきた。


金(ゴールド)について再び考える。ソブリンと金融緩和縮小の観点。 (2013年6月28日付)

金の相場の下げが意味するもの (2013年4月11日付)




メイン・ビューは先進国の通貨への信認の回復だ。

サブプライム危機による米ドルへの不信。

欧州債務危機によるユーロへの不信。

ソブリンを信じられない期間が続いたからだ。

ドルとユーロへの不信がゴールドへの需要を高めてきたのである。

それが2012年までのゴールドの大相場の原動力だ。



2013年はこれの逆回転だ。

もうユーロ崩壊を懸念している人はいない。

そしてアメリカの、ドルの本格的な復活が迫っている。

2014年、値ごろ感でゴールドを買うのはやめておいたほうがいい。






2013年の日経平均上昇率は57%。なんと41年ぶりの大きさ



おそらく、今日、明日のニュースでは、アベノミクスの成果として、2013年の日経平均の上昇率に関するコメントが散見されることになるだろう。


2013年の日経平均上昇率は57%。なんと41年ぶりの大きさだ。

もうバラ色なのか?

きちんとチャートでみてみよう。






80年代後半は完全にバブルだったとしても、資産運用の観点からは、70年代半ば~80年第半ばまでのような市場環境が「やりやすい」相場だ。

釈迦に説法だろうが、資産運用においては少しづつでもプラスの成果が続くことが望ましい。

近年のように、プラスとマイナスが交互する相場は、複利効果の面で、結局、資産を大きく増やすことが難しい。


2013年、例えば、日本株の運用においては上記のように素晴らしい相場だったわけだが、今後、どうしたらよいのだろうか。

もはや運用しないことがリスクである。

このまま行けば、消費税引き上げと円安による輸入物価上昇で、実態としての生活は貧しくなっていくことだろう。



しかし、2013年のような年は、まさに奇跡だ。

2013年のような相場が続くと考えるのは、あまりにもナイーブだ。

リスクを考慮しながら、リスクをテイクしていくことが大切だ。

当方では、2014年の重要なポイントは以下2点だと考える。



1.円のリスクをヘッジ

2.日本株全体ではなく、個別銘柄を選別的に購入



1について

 ここまで円安になった中で、抵抗感があるだろうが、生活基盤を守るという意味で、一定程度の円ショートのポジションをとるべきだろう。

 特に、来年、日銀による追加の金融緩和を視野に入れながら、また、アメリカの一段の復活を想定し、円ショートのポジションを有しておくべきだ。


2について
 
 2013年は、日経平均構成銘柄のうち96%に相当する216銘柄が上昇したそうだ。

 これには割安すぎたものの再評価という意味合いが強かった。 

 しかし、割安修正が一定程度完了したいま、日本株なら、なんでもかんでも上がるという相場はもう続かない。

 特に、NISA時代においては、これまでと違う動きが警戒される。

  ご興味あれば、こちらもご覧だくさい。
 →NISA時代に勝利するための銘柄選択





これらのポイントが、複利で資産を増やしていくのに重要となるだろう。

まとめると、2014年は、引き続き「ブル」で資産運用していくべきだが、リスクを考慮しながら、リスクをテイクしていくことが大切だ







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2013年12月27日金曜日

相場の大局観においては、米国債が道標となる


年末年始ともなると、相場予想が活発になる。

「もう株は上がりすぎだ」、「いや、今度は違う」。

「アベノミクスはまだ始まったばかりだ」、「もう一段の金融緩和があるはずだ」

「シェール革命だ!」


資産運用において重要なのは、他人の予想を鵜呑みにすることなく、自分で判断し、意思決定していくことだ。


そのうえで、当方が長年、重要視しているものを共有しよう。

相場の大局観においては、米国債が道標となる。




これはこの半年の米国債の利回りの推移だ。





こうみると、米国債の利回りが激しく上昇していることがわかる。

これは米国経済の力強い復活の兆しかもしれない。

おそらく、これは現在の市場のコンセンサスだろう。






ただし、重要なのはあくまで中長期的な資産運用だ。

大局観を養うためには、より長い期間で米国債の位置づけを考えるとよい。





このように、長期でみると、米国債は利回り低下の歴史である。

この紫のラインに何度も挑戦して、跳ね返された歴史である。

チャート分析を盲信してはいけないが、これは非常に強力な抵抗線といえよう。




見方を変えれば、米国債は世界の相場のエネルギーを反映する。

すなわち、80年代以降、世界の相場のエネルギーは低下していったのである。





今後、世界の相場のエネルギーが、本格的に高まるのか、または、再び、低下していくのか。

他人の無責任な予想に踊らされることなく、冷静に米国債を見つめることが大切だ。

米国債が道標となる。



80年代以降続いている延長戦の中なのか、真に歴史的な転換が迫っているのか

米国債を見つめていれば、あと少しで、相場のエネルギーの行方がわかることだろう。






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NISA時代に勝利するための銘柄選択


いよいよNISAの資産運用がスタートする。

ここでNISA時代に勝利するための銘柄選択のコツを共有しよう。


従前、銘柄選択ではバリュエーションの低いものを見つけることが、
中長期的には勝利に至る王道であった。

しかし、これは銘柄選択の能力の勝負でもある。

つまり、他人よりも上手に銘柄を発掘する能力に依存した勝負であった。

その銘柄の魅力を他人よりも早く気づき、購入する必要があった。

言わば、「通好み」の銘柄選択の勝負である。




NISA時代には、どうなるだろうか。

上記の勝負も引き続き重要であることは言うまでもない。

しかし、NISA時代には、これまであまり銘柄選択をしたこともない人が参戦してくるということを理解するのが重要である。

つまり、バリュエーションなど意識しない資金が大量に入ってくる。

そこでの銘柄選択のポイントは、「知っている会社」、「商品やサービスのユーザー」、「有名な経営者がいる会社」などになってくる。

ここからいくと、例えば、BtoCの会社などは、競争が激しく、利益率が低いと評価されることが多かった。

BtoCからBtoBへ経営資源をシフトさせる戦略がとられることも多い。

しかし、NISA時代の銘柄選択としては、BtoCの会社のほうが有望なのだ。

それは、BtoCによる低い利益率よりも、「多くの人が知っている会社」たりうるからだ。



これは、これまでの経験が豊富な人ほど、つまり、バリュエーションの見極めに自信があるほど、抵抗感のある提案だろう。

バリュエーションに自信のある人ほど、このような銘柄は「割高」だと却下したくなるだろう。

それでも、あえて提案する。

NISA時代の銘柄選択のキーワードは「知名度」、「好感度」である。










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2013年12月13日金曜日

SugarSync(シュガーシンク)を引き続き、無料で使うために


SugarSync(シュガーシンク)が完全有料制に移行、無料プランは終了とちょっとした騒ぎになっている。





いや、そもそも日本人の感覚からすると、新規の無料プランは終了になっても、
自分の既存の無料プランは大丈夫だろうと思ってしまうくらいだ。

よく注意したほうがいい。




事実を確認しよう。

SugarSyncの無料プランには、実は2種類ある。

アメリカ版と日本版「SugarSync.jp」だ。

今回、完全有料制になるのはアメリカ版のみだ。

現時点では、日本版「SugarSync.jp」の無料プランは継続される。



つまり、今回、検討を必要とするのは、現在、アメリカ版で使用していて、今後も課金は避けたいという人になる。

まずは、自分がアメリカ版なのか日本版なのかを確認しよう。

アメリカ版か日本版の確認方法




現在、アメリカ版で、引き続き、無料で使いたい人は、日本版「SugarSync.jp」でアカウントを作成し直す必要がある。

そのとき、以下のリンクから作成すると、当方にもあなたにも、ボーナスで容量が増加されるので、
ぜひ検討していただきたい。

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有料プランばかりで、わかりづらいので図をご覧ください。

リンクの先からは、上図の赤い丸のところから入れば、無事に無料プランを作成できる。


2013年12月11日水曜日

流通総額からアリババの時価総額を考える


バークレイズの米島アナリストが興味深い分析を提示している。

 *2013年12月11日付け 「ソフトバンク 株高の恩恵を享受。TP を引上げ」より



米島アナリストは以下のバランスに注目。

米eBayの12 年流通総額(マーケットプレイスのみ)は750 億USD に対し、時価総額は679 億 USD。

楽天の12 年流通総額(国内EC のみ)は1.4 兆円に対し時価総額は2.0 兆円。



注目のアリババの12 年流通総額(TMALL, Taobao)の流通総額は1 兆元(約17 兆円、1 元=17 円で換算)以上と発表されていると米島アナリストは指摘。

そのうえで、「流通総額と企業価値が類似すると仮定すれば、アリババの価値を14.1 兆円としても
違和感はないだろう。」と主張している。



なお、ソフトバンクはここで14.1兆円の企業価値と評価されたアリババの36.7%の持ち分を有する。



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2013年12月2日月曜日

異次元の金融緩和と円の未来


当方では、日銀の異次元の金融緩和に関して、非常に心配している立場だ。

この数か月の円安は、一定程度の弊害は認められるものの、

フェアに評価して、円安による日本株を誘発できたとみてよいだろう。


しかし、今後、日銀のバランスシート上での日本国債でどんどん増えていくことを
非常に懸念している。

日銀のバランスシートの質の悪化は、結果として円の価値を下落につながる。

円の価値の下落が一定程度で収まればよいが、リスクがあることを認めざるをえない。



みずほ証券の上野チーフマーケットエコノミストは、当方でも非常に信頼しているエコノミストである。

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彼が『いつまで「量的・質的金融緩和」は続くのか? ~ 重要なのは「人」の交代』というレポートの中で、鋭い指摘をしているので紹介したい。


****ここから引用****


黒田総裁は時期尚早の金融緩和停止や金融引き締めには、きわめて慎重な姿勢をとり続ける可能性が高い。

利上げが5年間回避されるだけでなく、「量的・質的金融緩和」についても5年間の任期中、このまま淡々と続けられる可能性も否定できない。

その場合、13年末に200兆円、14年末に270兆円という見通しを日銀が示しているマネタリーベースは拡大を続け、年間70兆円の上積みペースが維持される場合には17年末に480兆円に達する計算になる。

この数字は今年7-9月期の名目GDPである482兆9,859億円と、ほぼ等しい


****ここまで引用****


これのバランスシートが現実になるときの、「円」は「信認」を維持できるのだろうか?


当方では、ここもと円安が急に進行しているものの、一定程度の外貨建てポジションを保有しておくことが、資産運用において、非常に重要だと判断している。

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2013年11月26日火曜日

猪瀬知事には「借用書」の公開よりも、「贈与税」を払うことで、オチをつけていただきたい


猪瀬知事は、わざと注目を集めようとしているのだろうか??

「金利とかは考えなかった」猪瀬知事の一問一答

猪瀬知事、5千万円の「借用書」公開 辞任は否定

出所:朝日新聞「猪瀬知事、5千万円の「借用書」公開 辞任は否定」



慌ててつくった感じがして、なんとも微笑ましい。

金銭消費貸借契約とか弁護士なのにご存じないのだろうか?

あー、弁護士の政治家は大阪だったか。。。





しかし、ここでは、この「借用書」が最近よく聞く「偽装」かどうかは論点としないでおこう。



そんなことよりも、この「借用書」、どうみても大事なことが書かれていないほうが重要だ。

それは、「期限」。

このままといつまでも返さなくてもいい契約ではないか。

つまり、単純な「贈与」と区別できない。




ふむ。

せっかくなので、ぜひとも猪瀬知事には贈与税を払うことで、オチをつけていただきたい。




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2013年11月25日月曜日

道を極めたなら、刀は抜くまでもないもの



かくありたいものだ。


2013年11月21日木曜日

ソフトバンクの欧州戦略は?カギはボーダフォンだろう


ソフトバンクといえば、いまや日本を代表する企業。

その「世界に挑む」姿は勇ましい。

アメリカ戦略としては、スプリントの買収を成功させた。

アジア戦略としては、もうじき上場すると噂されるアリババの筆頭株主である。
<日本経済新聞>アリババ会長、香港上場に意欲 ソフトバンクと連携


アメリカ、アジアときたところで、ヨーロッパはどうなのか?

現在、公表されている情報としては、ソフトバンクのヨーロッパ戦略は不透明だ。

ヨーロッパには興味がないのだろうか?


ヨーロッパはこんな特徴がある。

・LTEの普及が遅れている(日本人は我慢できないくらいの通信状況だ)

・(iPhoneよりも)サムスンのギャラクシーの人気が高い。

つまり、現在のソフトバンクの強みを活かしづらいともいえる。



そんな中、ソフトバンクのヨーロッパ戦略のカギはボーダフォンだろう


ソフトバンクの携帯ビジネスは、ボーダフォンの日本法人を買収することで始まったことを思い出すと、非常に痛快な話だ。

ボーダフォンは2.6GHzの豊富な電波を有している。

これをTD-LTEで活用していくことで、一気に、日本レベル、つまり、世界最高レベルのモバイル環境を提供していく。

夢のある戦略ではないか。


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2013年11月14日木曜日

イエレン、おそるべし。


イエレン、おそるべし。


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日本ではあまり正確に報道されていないようなので、記録のためにもアップしておこう。

13日のアメリカ市場に関して、「イエレンの発言はハト派」だったので、金融緩和長期化、NY株も堅調などと解説されているのが目立つ。



事実はもっと深い。


14日に次期FRB議長候補としての指名承認公聴会が予定されている。

そのテキストをなんと事前に配布したのである。

その内容が、上記のように報道されているのだ。



そもそもテキストが事前配布されるという慣行はない。

それにもかかわらず、今回は事前配布されるということ自体が、マーケットでは噂になっていたのだから、これは間違いなく意図的にながされた情報だ。

わざわざ事前配布されるということは、内容は間違いなく、マーケットに対してフレンドリーなものだと想像がつく。

そう考えた市場参加者が多かったのだろう。

13日のNY市場は、後半からすさまじく強くなっていた。





この非常に心地よい状況を、明日の指名承認公聴会のまえに「意図的」に醸成したのだ。

こうなると、共和党の議員も野暮なヤジは飛ばせない。

イエレン、おそるべし。


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2013年11月13日水曜日

日本株への関心が落ちている?? ― メリルリンチのファンドマネージャー調査


メリルリンチのファンドマネージャー調査、今月もチェックしてみよう。


・日本株の配分状況は+24%。これは、前月比-6%ポイントと減少している。

・今後1 年間にオーバーウエートしたい市場は、ユーロ株が+36%(前月比+10%ポイント)。
 ユーロが全体で1位。日本株は、+0%。これは前月比で(-11%ポイント。

・セクター別では、資本財が1位、自動車と情報技術が2位。



どう解釈するか。


この調査からは、世界のファンドマネージャーは、残念ながら、日本株に興味を失いつつあると解釈するのがフェアであろう。

セクターに関しても、日本の自動車への関心が薄れていると解釈せざるを得ない。つまり、アベノミクス/円安による株価上昇、というストーリーに乗りづらくなっているということだろう。



これを踏まえて、今後の方針はどうすべきか。

なんでもかんでも上昇するというような相場は終わったとするのが無難だろう。

銘柄選択の重要性が増す局面が続くことだろう。



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2013年10月31日木曜日

米スプリントが黒字転換!ソフトバンクに好材料


ソフトバンク・グループの米スプリントが10月30日、第3四半期決算を発表した。

スプリントの第3四半期の純利益は黒字達成。純利益で3億8300万ドル確保した。

また、注目すべきはサービス解約者数とARPUだ。

サービス解約者数は36万人。

これは事前のアナリスト8人の予想平均37万1000人より良好な数字。


また、ARPU(契約ベースの加入者1人当たりの月額利用料金)は64.28ドル。

前四半期の64.20ドルから力強く増加している。

これのアナリストの予想平均は62.13ドル。


つまり、解約者数の良好で、既存客の単価も上がっている状態だ。

この決算を受けて、下図のように、スプリント株は爆騰。


なお、ソフトバンクは、このスプリント株の8割を保有している。





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2013年10月28日月曜日

amazon株の値動きには夢がある。



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こんな決算なのに、この値動き!







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2013年10月24日木曜日

2013年10月22日火曜日

笠井和彦さん、ご逝去


ソフトバンクの取締役、ソフトバンクホークスの社長として知られる笠井和彦さんは、

実は偉大なマーケットの巨人でもあった。



相場の世界が長い人は、かつての笠井さんのディールの伝説を聞いたことがあるだろう。

また、ソフトバンクに移ってからも、ボーダフォン買収時のファイナンスや、スプリント買収時の為替などで、素晴らしい相場観を披露されたとも聞く。



東洋経済に銀行時代の活躍を垣間見せる記事があったので紹介したい。

東洋経済の『ソフトバンク・笠井和彦氏の死を悼む』



謹んでお悔やみ申し上げます。


2013年10月21日月曜日

日経の『ヤフー、「無料革命」の正体 敵は楽天にあらず 』を考える


世間では、ヤフーの「無料革命」は楽天との戦争だとみられている。

それに対し、この記事 『ヤフー、「無料革命」の正体 敵は楽天にあらず 』は、新興勢力の分析も丁寧し、アナリストの見解も提示しながら、「新たな照準を、グーグルという巨人に合わせた」と結論づけている。


これ自体は、非常に読み応えのある記事だ。

しかし、果たして、「ヤフーが“関連”した流通総額は飛躍的に増える」ことが、この改革の肝なのだろうか?


この改革の当面のゴールはそれでいいのかもしれない。



ただ、もっと先にある本当の狙いは、あらゆるビジネスを有機的に結びつけることである、というのが当方の考えだ。




これまで、独自にビジネスを進めていた印象の強かったソフトバンク・グループだが、
ヤフー・ジャパンをポータルとして、ユーザーが容易にアクセスできるようになる絵なのではないか。

つまり、ヤフーの出店手数料がなくなる代わりに、それぞれの企業のビジネスの拡大を誘発するのだ。


ユーザーは手元のスマートフォンから、ヤフーを通じて、あらゆるサービス・商品に導かれていくのだろう。

そのとき、手元のスマートフォンは当然として、ヤフーには広告のビジネスが発生し、ソフトバンク・グループのサービスや商品に傾斜をかけて誘導していけば、各グループ会社の成長余力は格段に大きくなってくる。


そしてこの絵は、中国のアリババにも、アメリカのスプリントにも応用できよう。


こうなると、新たな照準はグーグルという巨人ですらない。

ネットもリアルもすべてを舞台とする革命だ。




ソフトバンクの時価総額は、現在8兆円台。

時価総額200兆円を目指す革命が始まっている。




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2013年10月17日木曜日

ファンドマネージャー調査

恒例のメリルリンチのファンドマネージャー調査をチェックしてみよう。

「グローバル機関投資家の日本株の配分状況は+30%(前月比+8%ポイント)」

「日本株専門家の日本株のバリュエーションに対しては割安との見方が継続」


ふむ。

割安とみていて、資金を移すきっかけに注目か。

とりあえず、消費税引き上げの決定に対する海外投資家の反応を警戒していたのだが、
現時点ではまだ大丈夫なようだ。

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2013年10月8日火曜日

アメリカ財政の長期見通しをチェックすると衝撃な数字もみえてくる

ここもとの相場のテーマはアメリカの予算とデット・シーリングだ。

デフォルトを回避するために、どこかで手を打つのだろう、というのが現在のコンセンサスではないだろうか。

ただし、本質的に、アメリカの財政の強さをチェックしておくことも有意義だ。

例えば、これ。

米議会予算局による財政の長期見通し

P86に衝撃的なグラフが掲載されている。







米国債は現在はAAA。

だから、今回の予算の話も、政治の駆け引きだと思って、眺めていられる。

しかし、実は、このグラフのように、長い目でみたときには、アメリカの財政にかなりのストレスがかかる。

強制削減などを実施できなかった場合には、2038年にアメリカの公的債務はGDP比で、190%まで悪化する。


パーティはいつまでも続くわけではない。



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世界最大の通貨ヘッジファンドが清算へ


ブルームバーグにこんな記事がでている。

テイラー氏のFXコンセプツ、ファンド清算と人員整理に着手

数年前までは、かなり勢いがあったファンドだ。


ところで、通貨というのは難しい投資対象だと感じる。

企業の株式や債券に投資するのであれば、その企業が生み出すキャッシュフローを
分析していけばよい。

一方、通貨という投資対象は、単にある国とある国の通貨の価値の比率の問題だ。

企業活動のような、価値を生み出す動きが背景にあるわけではない。


そういう意味で、FXで勝ち続けるのと、株式投資で勝ち続けるのは、

まったく違うスキルであり、特にディーリングが重要なのだろう。





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2013年10月3日木曜日

ソフトバンクの時価総額が三菱UFJを超えそう


ブルームバーグでこんなチャートが紹介されている。




出所:ブルームバーグ「SoftBank to Pass MUFG as Japan’s No. 2 Company: Chart of the Day」



三菱UFJといえば、日本を代表する大企業のイメージ。

実際、トヨタに次いで、時価総額が大きい。

そんな中、ソフトバンクの時価総額は三菱UFJを超える勢いだ。

夢のある企業だなぁ。

PIMCOの債券王ビル・グロス、自爆のおそれ?



9月もPIMCOからは資金流出らしい。

PIMCO旗艦ファンド:9月は54億ドルの資金流出

ここもと、米国債の金利は低下しつつあるし、逃げ遅れた人にとってはチャンスだろう。





PIMCOの債券王ビル・グロスは最近、こんな見解も提示もしている。

「市場は米金融当局が最終的に利上げを開始する時期を誤って織り込んでおり、そうした状況から利益を得られるような債券を購入すべきだ」

「ただ1つだけ信用したいというのであれば、それは量的緩和策が終了し政策金利が焦点となった後、フェデラルファンド(FF)金利は予想より低い水準で極めて長期間据え置かれるということだ」

「市場や金融当局は現在、FF金利が2015 年遅くまでに
1%上昇し、16 年12 月までにさらに1%上がると予想している。だが、そうはならないと見込むべきだ」」




では、債券王はどんな債券でリターンをあげていくつもりなのだろうか。

それについては、こんなヒントを提示している。

・当局が債券購入の縮小を開始した後は政策手段として次第にフォワードガイダンス(時間軸政策)に焦点を合わせるようになることから、投資家は期間が短めの米国債や米インフレ連動債(TIPS)などを購入すべきだと指摘。

・期間が長めの米国債は避けるよう勧めた。


この点については賛成である。


しかし、これの意味するところは、米国の債券のドル建て期待リターンは過去数年と比べて、大幅に落ちるということだ。

残念ながら、PIMCOの債券王ビル・グロスは、自爆しているおそれが高い。





2013年9月11日水曜日

新iPhone発表。資産運用の観点からは、どこに注目すべきか?


とうとうドコモからのiPhoneが現実のものとなった。

ドコモの料金政策次第では、日本の通信業界の収益性に大きな影響がでるので、非常に注目される。

ドコモが「大人なスタンス」で、3社がある程度の収益を確保しながら、おだやかな競争にとどめるのがメインのシナリオ。

従って、引き続き、通信業界は魅力的な投資対象だといえよう。

ドコモ発の安売り戦争が起こらないよう、ウォッチしていきたい。



ただ、もっと技術的な観点からみると、auの変化が一番注目かもしれない。

今回の5Sは対応周波数帯別に5つのモデルが用意されている。

auが利用しているプラチナバンドの800MHz帯(LTEで利用)がiPhone5Sで利用できることになった。

つまり、これで、auのiPhoneの「パケ詰まり」が一気に解消することが想定される。


ソフトバンクの900MHz帯にもiPhone5S対応したのだが、ソフトバンクにおいては、これを現状3G回線で利用している。また、ソフトバンクがAXGP(TDD-LTE互換)で利用している2.5GHz帯は対応していない。つまり、ソフトバンクのiPhone5Sは、電波的には大きな変化は享受できないことを意味する。

これは非常に残念だ。もし、TDD-LTEにiPhoneが対応したら、スプリントのこともあり、ソフトバンク株の価値は一気に高まっていたことだろう。
この楽しみは、次のモデルまでおあずけのようだ。
ただ、今後のiPhoneのTDD-LTE対応を見据えて、ソフトバンク株の押し目を拾っておくのは非常に有効な戦略だ。
(また、なかなか時期を読むことが難しいが、ソフトバンクにはアリババ上場という起爆剤もある。)


ということで、目先、iPhone5からiPhone5Sへの乗り換えは、ソフトバンクのユーザーよりも、auのユーザーにこそ、メリット大きいといえよう。



今回の新iPhone。一般的にはドコモが話題になるが、資産運用の観点からは、auに注目したほうがいいだろう。


auの株式は今回のドコモのiPhone騒動の中で過小評価されている。

増配や自社株買いなど、今後、楽しみな展開になることだろう。

中長期的な本命はソフトバンクだが、目先のauには注目だ。


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2013年8月30日金曜日

パナソニックがはやくも復配を発表


昨日、パナソニックが復配を発表した。

パナソニック 配当予想に関するお知らせ



2年連続の大赤字に追い込まれていたパナソニックだが、当方としては津賀改革を高く評価していたところ。

昨年の大赤字直後のエントリーがこれ。 パナソニックは『道をひらく』


ほかにもこんな風にウォッチしてきた。
パナソニックが"脱テレビ依存"のキーノート
パナソニックは「脱テレビ宣言」か?
パナソニックは『道をひらく』 その2





年度末まで待たず、この時期に復配を発表するとは非常に良い傾向だ。

実際、彼らのプレスリリースでも「業績、および、財務体質が着実に改善している」とコメントしている。

ただし、足元ではコストカットと円安がその主要因だ。

サステイナブルな企業として、それだけではダメだ。



今後、パナソニックはどうなっていくだろうか?

津賀社長は、売上の増加を追う姿勢はみせていない。

BtoBに力を入れていく戦略も理解できる。

リスクシナリオは、パナソニックが縮小均衡に陥ることだ。

今後、パナソニックは「利益の質」をあげていくことができるかどうかに注目だ。

津賀改革の真骨頂はこれからだ。

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2013年8月29日木曜日

インドルピーは3.7%安と18年間で最大の下げ率


注目のインド・ルピーが、昨日もぶっ飛んでいた。






なんと、一日で3.7%も下落。

3.7%もの値幅は18年ぶりらしい。

これだけの値幅で動くということは、何かの事情で大きなフローがあったのではないか。

ということは、なかなか、こんな相場には参戦できなものだが、超短期的には、いったん値戻しが期待できそう。





より長いチャートがこれ(四半期)。





シリア内戦は化学兵器の人道的問題だけではない


シリアの内戦で一気に緊張が高まったのが今週の資本市場。

これはどう考えたらいいのか?


報道では、あたかも化学兵器の使用は人道的に問題だと言われているが、本質はそこではない。

ポイントになるのはパワーバランスだ。


シリアのパワーバランス

シリアには約40年も続いた独裁政権がある。

これがアサド政権だ。

アサド家が信仰する宗教がイスラム教の「アラワイト派」。

シリアにおける人口構成では約1割の少数派である「アラワイト派」が、権力の中枢を掌握している構図となっている。

対立するのが「スン二派」。

つまり、シリアでは、人口で多勢の「スン二派」が違う宗教を信仰する権力者に武力攻撃をしているのである。



中東のパワーバランス

シリアの「アラワイト派」はイランと太いパイプがある。

ちなみに、イランでは全人口の3分の2が「シーア派」。

「シーア派」とは、イスラム教全体でみると、「スン二派」とともに二大宗派といわれることが多い。

ただし、二大といっても圧倒的な差があり、「シーア派」はイスラム教徒全体の1割~2割と考えられている。

イスラム教全体でみれば、「スンニ派」が圧倒的な最大勢力である。

なお、イラン、イラク、レバノン、アゼルバイジャン、イエメン、バーレーンに「シーア派」が多いと言われる。


こういう背景のもと、イランは「反スンニ派」という御旗のもとで、シリアの「アラワイト派」と親しいのだと推察される。







シリア内戦に関しては、化学兵器の使用が問題かのように報道されているが、本質はそこではない。

シリアという国の権力の構図が変わることは、イランと太いパイプを持つ政権か否か、という問題に発展するのである。

つまり、中東のパワーバランスに変化を生じさせるかもしれない事態なのだ。

従って、欧米諸国も無視できないのである。

イランは核兵器の開発をしているとの疑惑が根強いのだから。





欧米諸国にしてみれば、シリアに局地的に攻撃することはさほど難しい話ではない。

が、その後のイランの出方、またそれにともないトルコやイラクやイスラエルがどう反応するかが読みづらいので決断しかねているのだろう。


ちなみに、イランの高官は「米国がシリアを攻撃するということは、米国がレッドラインを超えること意味する」と牽制している。


イランが大きく反応し、勢力を拡大させようとするなら、イスラエルは黙っていないだろう。


シリア内戦は、中東のパワーバランスに激震を与え、第4次中東戦争にまで発展しかねないリスクを孕んでいるのである。


アメリカはシリア問題で、イランのことを悩んでいるのである。


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2013年8月23日金曜日

「米国債市場はFRBの意図を読み違えている」??


「米国債市場はFRBの意図を読み違えている」との見解、誰のものでしょう?

グロス氏ではないけど、あのPIMCOのメイザー氏だ。

メイザー氏は、PIMCOのグローバル・ポートフォリオ運用責任者。

「利上げに向けたフォワードガイダンスを導入して債券購入の縮小する可能性を示唆している米連邦準備制度理事会(FRB)の意図を市場は読み違えており、米国債の売りは行き過ぎだ」との見解を提示しているそうだ。






*金利上昇=債券価格低下。つまり、このグラフのローソクの上昇は米国債の売りを示す。


つまり、米国債が売られすぎと主張するということは、PIMCOは米国債に強気のロングってことなのだろう。

市場ではPIMCOのファンドからの資金流出が激しいとの噂になっている。

米国債が売られているなか、ここから損切りなんてことになったら、ますますファンドから資金が流出し、その分、さらに米国債を売り崩すことになるのかも。


ということは、PIMCOから米国債弱気の意見がでてくるのが債券相場の転換点なのだろう。



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2013年8月21日水曜日

通貨ルピーが盛り上がっているので、インドのクレジット・リスクをモニターしてみる



ロイターでこんな記事が。

インドリスクへの警戒強まる、ステイト銀CDS保証料率が高水準に


新興国が相場を騒がしている中、モニターする項目はひとつでも多いほうがいい。

インドのルピーのぶっ飛び方はこんな感じだし。





ということで、ステイト銀行をチェック。


ブルームバーグのDESでは、こんな説明。

***ここから引用***

インドステイト銀行 (State Bank of India) は商業銀行。インド国内の企業、公的機関、 商業、農
業、工業分野ならびに個人客に対し幅広い銀行業務、金融サービスを提供する。 在外インド
人 (NRI) を対象とした国際銀行業務も手掛け、世界各国に店舗を持つ。

***ここまで引用***


格付はこんな感じ。




インド自体の格付けがこんな感じなので、ロイターの解説にも一定の合理性がある。
ソブリン・シーリングってやつですな。





で、注目のステイト銀行のCDSはこのような推移。






どう解釈するか?

たしかにステイト銀行のCDSでも、直近のクレジットの悪化は著しい。

ただし、通貨ルピーが示すような壊滅的な悪化ではなく、まだ欧州債務危機のピークのころを超えるほどの深刻さはない。

CDSでは、リーマン・ショックのころのほうが危機的状況だった模様。
 
通貨とCDS、どちらが正しいのだろうかという疑問は当然だが、もちろん、投資家としては、手に入る情報は全て手に入れたほうがいい。


当方としては、新興国の逆張りは、あまり良い戦略とは思わない。

新興国発のクラッシュを回避しながら、来たるべきアメリカの果実を享受するのがメインの戦略だ。

そのためには、まず、生き残ることが重要。

その意味で、ステイト銀行のCDSはクラッシュを占う重要な数値だと考える。



*ただし、CDS全般にいえることだが、市場参加者の数と流動性がいまいちなので、このステイト銀行のCDSが十分な分析を経て、取引されているかどうかには疑問が残るので注意だ。


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ブラジル・レアルの未来は? アジア通貨危機を思い出そう


これはブラジル・レアルの対USドルの推移。




リーマン・ショックのあとの2009年3月のレベルまで売り込まれている。


現在のブラジルは、そもそも経済が弱い。



新興国だ!とか、ワールドカップだ!とかいうイメージで高成長をしているかと思ったら大間違いである。



それに加えて、インフレが深刻だ(将来は市場予想の中央値)













そんな中、一番上のグラフの自国通貨安を防衛するために、利上げをしている。

これがますます景気に重荷となっている。



こんな状態なので、海外からの資金はどんどんレアルから逃げていく。

レアル安の悪循環だ。

ブラジルの中央銀行は積極的に為替介入をしているが、全然効果がでていないようだ。

新興国経済がワナにはまった典型的なケースだ。




このように、FEDの金融緩和の縮小は、世界中から資金を引き上げさせてしまう。





この数年、先進国には成長は見込めない、これからは新興国だ!との解説を聞くことが多かった。

が、こう考えたほうがいいのではないか。

先進国は金融緩和のため期待リターンが著しく低下していた。

そのため、資金は相対的に期待できそうな新興国に回っていただけだと。

さらに、その間、豊富な資金のせいで、新興国へのバリュエーション評価が甘くなっていたことも事態を複雑にしている。

先進国、つまり、米国が金融緩和を縮小するのであれば、まっさきに新興国から資金を回収しなくてはならない。

例えば、ブラジルであれば、ブラジルに投資していたレアルを売却し、米国での期待リターン回復に備えるだろう。

ブラジル・レアル安だ。再掲しておこう。






これは歴史が繰り返しているだけだともいえる。

90年代にも、米国発で新興国からの急激な海外資金の巻き戻しが起こっていたではないか。

アジア通貨危機、メキシコ危機、ロシア危機だ。

まだ新興国に投資しているのであれば、当時のことを思い出したほうがいい。

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