9月12日・13日のFOMCの結果して新たな金融緩和が発表された。
内容は以下の通り。
(1)MBSの追加購入(月間400億ドル)
(2)ツイストオペの継続
(3)時間軸の延長(2015年半ばまで)
世間では、これをQE3と呼んでいる。
ただし、QEとはquantitative easingのことである。
これは、マーケットに対してマネーの供給量を増やすことを意味する。
別の表現をすれば、中央銀行のバランスシートを拡大させるということだ。
今回の金融緩和ははたしてquantitative easingなのだろうか。
本気でquantitative easingしたいのであれば、(2)のツイストオペなどせずに、
米国債を単純に購入していけばいい。
ツイストオペの形にすることで、単純なマネーのばら撒きには配慮しているようにみえる。
(1)MBSの購入のところは、たしかにマネーの供給を増やす面もあるが。
この組み合わせが目指しているのは、バランスを考えた上での
credit easing(信用緩和) だと解釈したほうがいい。
金融危機で毀損した米国の家計のバランスシートの回復はまだ遠い。
ここの回復を促すために、FRBはcredit easing(信用緩和)で、
より積極化していこうとしているのだ。
言葉通りのquantitative easing(量的緩和)は以下の観点から実行が難しい。
・米国の政治情勢
(共和党は量的緩和に否定的。ロムニーはバーナンキを再任させないとまで明言している)
・資源価格の動向
そういう意味では、今回の緩和は非常にうまいところだと評価できよう。
今回の緩和でもなお、米国の雇用が改善しない場合、
そのとき、まだバーナンキが議長であれば、
真のquantitative easing(量的緩和)が発動されるのではないか。
ただし、言葉通りのquantitative easing(量的緩和)は深刻なインフレをもたらすだろう。
その場合、グローバルマクロに対する処方箋は非常に困難なものになる。
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