2015年2月10日火曜日

円安によって膨らんだ輸出企業の利益は家計部門の犠牲によるもの

アベノミクスの最大の誤算は、景気回復の大きなサポートになると考えていたはずの円安が、現実には景気の足を大きく引っ張ったことである。
アグレッシブな金融緩和で円安に誘導しても、輸出が増えなければ、生産は増えない。生産が増えなければ、雇用者所得の改善も限られる。それゆえ、円安による輸入物価の上昇で、家計部門の実質購買力は悪化し、個人消費は低迷する。消費増税後、想定以上に消費が落ち込んだのは、完全雇用に達し、円安になっても輸出が増えない中で、家計の実質所得が抑制されていたためである。
経済全体のパイが一定である以上、誰かが取り分を増やせば、誰かの取り分が減る。実際、円安によって膨らんだ輸出企業の利益は家計部門の犠牲によるものである。

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原油安で延命、アベノミクスの猶予は1年=河野龍太郎氏



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